こんな企画考えてました。

ぼくのMacのハードディスクには

「その他ボツネタ」という哀しい名前のフォルダがあります。

その名のとおり、なんらかの事情によってボツになった企画たちが眠る、

想念の怪獣墓場みたいなフォルダです。

今日はそんなフォルダの中から、

「これやってたら面白かったかもなー」という企画を紹介したいと思います。

 

 

タイトル:吾輩は紙幣である。

帯コピー:男なら万札の肖像画になってみろ!!

 

企画概要:

男子一生の夢とはなにか。上場企業の経営者? 総理大臣? ノーベル賞?

そんなちっぽけな目標では、とても夢とは呼べない。

男子一生の夢、それは「日本銀行券の肖像画になること」である。

そこで本書では、過去に日本銀行券の肖像画となった偉人たちを徹底分析し、

その共通項を暴き、いかなる人生を歩めば将来「万札の肖像権」を獲得できるか考察する。

 

 

……えー、バカまるだしの企画ですが、ファイルの日付を見ると2005年。

うーん、なんだろう。海外の独裁国家とか見てると、

もう「お札になったら勝ち!」みたいな雰囲気がありますよね?

やっぱり権力者にとって、

最終最後の夢として「お札になる」ってのはあるんじゃないかと思うんです。

ただしもちろん、本気で「万札の肖像権」を狙う人に向けた本ではありません。

 

・お札の肖像画になってる人、意外と知らないよね。

・でもそれを網羅的に教えてくれる本ってないよね。

・でもでも、肖像画の選考基準もよくわかんないよね。

 

というあたりの雑学的・現代史的好奇心をくすぐる企画として考えました。

ちなみに当時調べたところによると、お札の肖像画って

 

一円札 :武内宿禰、二宮尊徳

五円札 :菅原道真、武内宿禰

十円札 :和気清麻呂

五十円札:高橋是清

百円札 :藤原鎌足、聖徳太子、板垣退助

五百円札:岩倉具視

千円札 :日本武尊、聖徳太子、伊藤博文、夏目漱石、野口英世

五千円札:聖徳太子、新渡戸稲造、樋口一葉

一万円札:聖徳太子、福沢諭吉

 

というラインナップなんですよ。

ここから江戸~明治期以降の人物をピックアップしたらこうなる、

と企画書には書いてあります。

 

・二宮尊徳(農政家、思想家)

・高橋是清(政治家)

・板垣退助(政治家)

・岩倉具視(政治家)

・伊藤博文(政治家)

・夏目漱石(小説家)

・野口英世(医学者)

・新渡戸稲造(教育者)

・樋口一葉(小説家)

・福沢諭吉(思想家、教育者)

 

このラインナップから察するに、

とりあえず政治家になるのが万札へのいちばんの近道に見えますね。

しかし、ここにいるのは戦前の政治家ばかり。

戦後の政治家はひとりもいませんし、

常識的に考えて、たとえば民主党政権のあいだに

政府が「鳩山由紀夫を一万円札に!」なんてことを言い出したら

とんでもない騒ぎになるでしょう。

政治が「歴史」になるには、かなりの時間が必要なんだと思います。

実際、近年は小説家、教育者、医学者といったアカデミズム畑の人々が

お札の肖像権を勝ち得ていますし。

 

じゃあ、ここにいる政治家以外の人々、

二宮尊徳、夏目漱石、野口英世、新渡戸稲造、樋口一葉、福沢諭吉に、

どんな共通項があるのでしょうか?

彼らのなにを見習えば、ぼくたちもお札になれるのでしょうか?

……これが考えても考えても見えてこず、この企画は頓挫したのでした。

 

もしどこかの編集者さんで、この企画をやってくださる方がいたら、

ぜひぜひ実現してやってください。

フリーでシェアでハッピーで、事前のご連絡はけっこうです。

 

それでは、また!

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